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マニラ湾岸のカジノリゾート、業績大幅改善

ソレア23億ペソの黒字、CDM赤字83%減少
空港隣接のリゾーツワールドは黒字継続

 

 フィリピン政府は、国家プロジェクトとして観光事業を強力に推進することを目的に、マ二ラ湾岸沿いに「マニラベイ・エンターテインメントシティー」を創設しつつある。そこでは、日本のユニバーサルエンターテインメント・グループ(オカダ・マニラ展開)を含む4グループのカジノ複合リゾート施設の開発が行われつつある。

 

 その4グループの一つが当地最大の港湾企業インターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービシズ(ICTSI)の総帥エンリケ・ラソン氏傘下のブルームベリー・リゾーツ(ブルームベリー)である。このブルームベリーによる大型カジノ・リゾート「ソレア・リゾート&カジノ」(ソレア)は2013年3月に開業した。

 このブルームベリーの2016年の純収入は前年比21.2%増の304億ペソに達した。カジノ事業純収入が同20.8%増の280億ペソ、カジノ以外の収入も同25.6%増の24億ペソと好調であった。総費用はほぼ横ばいの264億ペソにとどまったことから、最終損益は23億2,310万ペソの黒字となり、前年の33億7,530万ペソの赤字から急改善した。韓国事業が赤字であり、韓国事業を除くベース、すなわち、フィリピン事業の純利益は34億6,000万ペソであった。

 「マニラベイ・エンターテインメントシティー」の2番目のカジノリゾートである「シティ・オブ・ドリームス マニラ」(CODマニラ)は、2014年12月14日にソフトオープン(部分開業)、2015年2月2日グランドオープン(全面開業)した。CODマニラは、SMグループ総帥ヘンリー・シー氏傘下の娯楽・不動産企業ベルコープ・グループと、オーストラリアの富豪ジェームス・パッカー氏傘下のカジノ企業メルコ・クラウン・エンターテインメント社(MCE)による協働カジノ・リゾート施設である。MCEはマカオのメルコ・インターナショナルと豪州のクラウンの合弁企業であり、マカオの有名カジノ 「シティ・オブ・ドリーム」の開発・運営企業である。 MCEのフィリピン事業(CODマニラ)運営企業はメルコ・クラウン(フィリピン)リゾーツ(MCP)であり、フィリピン証券取引所(PSE)に上場されている。

 CODマニラを運営するMCPの2016年の純収入は前年同期比71%増の234億ペソ、うちカジノ収入は同79%増の213億ペソへと大幅増加した。一方、営業費用は同11%増の222億ペソにとどまった。この結果、MCPの営業損益は12億5,279万ペソの黒字となり、前年の62億7,330万ペソの赤字から急改善となった。最終損益は15億8,130万ペソの赤字であったが、前年の91億4,413万ペソからは赤字が83%減少した。

 また、不動産・娯楽関連企業であるベルコープ(BEL)の2016年の純利益は前年比74%増の31億ペソに達した。株式売却益など一時的損益を控除したコア純利益の同55%増の21億ペソ、すなわち実質55%増益であった。大幅増益決算の背景は、2015年2月2日に、「シティ・オブ・ドリームス マニラ」(CDM)がグランドオープンし、2016年はその効果がフル寄与したことである。
 SMグループの一員であるBELは、CDMが立地する不動産を保有するとともにCDM事業に参画している。2016年はCDMからの不動産賃貸収入21億9,000万ペソに達したこと、78.7%を保有する子会社プレミアム・レジャー・コーポレーション(PLC)を通じてのCDM事業権益収入が前年比ほぼ倍増の16億ペソに達したことなどが好業績につながった。

 上記のようなマニラ湾岸沿いの新興カジノホテルではなく、ゲンティン香港と組んでニノイ・アキノ国際空港第3ターミナル(NAIA3)隣接地でカジノ・リゾート「リゾーツワールド・マニラ(RWM)」を運営するトラベラーズ・インターナショナル・ホテル(トラベラーズ)の2016年の純営業収入は前年比 2%増の251億ペソ、営業利益も同0.4%増の47億7,740万ペソへと小幅ながら増加した。金融費用増加や外為評価損などにより、純利益は同15.4%減の33億,9,850万ペソへと二桁の減少となったものの、老舗として比較的安定した業績推移を続けている。

 トラベラーズは、ニノイ・アキノ国際空港第3ターミナル(NAIA3)隣接地でカジノ・リゾート「リゾーツワールド・マニラ(RWM)」を運営 している。このほか、「マニラベイ・エンターテインメントシティー」においても、カジノ・リゾート「リゾーツワールド・ベイショア(RWB)」を開発中である。このRWBは2014年10月に着工された。完工・開業は2018年第4四半期以降となる見込み。当初予定では、2016年開業とされおり2年以上の遅延となる(各社年次報告書などより)。

 

 カジノリゾート運営企業の2016年業績動向(収益の単位:100万ペソ)

企業名 カジノ名 開業日 純収入 増収率 カジノ収入 増加率 最終損益 前年最終損益
トラベラーズ RWM 09年8月 23,649 2% 23,649 -2%% 3,399 4,018
ブルームベリー ソレア 13年3月 30,431 21% 28,050 21% 2,323 -3,375
比メルコクラウン CDM 14年2月 23,419 71% 21,297 79% -1,499 -9,120

 (出所:各社の年次報告書などより作成)